ウィリアム・フォークナー サンクチュアリ
好きな作家のジョン・グリシャムの作品に、登場人物がフォークナー行きつけのレストランに行き、父親が持っていた初版本にサインをもらうシーンがあった。
前からアメリカ文学を読みたいと思っていたので、トライ。適当にサンクチュアリを選ぶ。
ジョン・グリシャムが平易で豊かな英語の達人とすれば、フォークナーは難解な文章の文豪か。はっきり言って、主語が誰を表すのかさえ、分からないところも多い中、読み進める。今風のサービス精神あふれる状況説明はない。
それでも退屈せずに読めたのは、目まぐるしく変わる場面と雰囲気が何とも言えず天才的であること。
昔のアメリカであるが、今に通じる風刺があり、人間の根本は変わらないのかも知れない。
読書後、WEB検索してストーリーの把握に努めたところ、大きな部分で理解していないところがたくさんあった。本当にそんなこと書かれていた?数年後、今後は辞書を引き引き読んでみたい。久々にしびれたノヴェルだった。